眼球には水晶体と言う組織が存在するが、これはカメラで言うところのレンズのような役割を担っている。
水晶体はまるでガラスの様に無機質な見た目だが、体と同じタンパク質の塊だ。これは水酸化ナトリウムなどの強アルカリの溶液中に晒すと解けて分解される。
水晶体の前にTVがある。タンパク質とTV、物質的には私が日常でTVモニターを見続ける状態と同じだ。
水酸化ナトリウムに晒された急速な体組織の崩壊の中で、水晶体は永続的に流れるTVを結像し、それが記録される。
記録された映像を再生し、さらに逆再生しながら繰り返し見ているとまるで生命の発生と消滅を繰り返し見ているようだった。ただ、これはタンパク質の塊に他ならないわけではあるが。